のどの病気

急性咽頭・扁桃炎

急性咽頭・扁桃炎
  • 扁桃腺やその奥の咽頭といわれるのどの炎症です。扁桃腺が赤く腫れたり、のどの奥の壁のところが赤くなったりします。扁桃腺に白苔(白い膜のようなもの)がみられることもあります。
  • 主な症状はのどの痛み、発熱です。発熱は38℃以上になることもあります。耳の痛み(放散痛といってのどの痛みが耳の痛みとして感じられるものです)や首のリンパ節の腫れがみられることもあります。細菌やウイルスが原因となります。

治療

細菌性の急性咽頭・扁桃炎では重症度に応じた抗生剤の内服を行います。さらに悪化させないように早めに治療をしましょう。炎症が強いとき、のどの痛みで食事がとれないときなどは入院の上、点滴加療を行う場合があります。ウイルスが原因であれば抗生剤による治療は不要で、基本的には対症療法となります。

細菌性

  • 細菌性の急性咽頭・扁桃炎では、悪化すると炎症が周囲に広がり膿を貯めることがあるため注意が必要です。のどの痛みが強いときは早めに受診してください。細菌が原因の場合、最も一般的なものはA群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)です。小児では15~30%、成人では5~15%の割合で溶連菌が検出されるといわれます。幼稚園から学童期を中心に冬から初夏にかけて流行します。とくに溶連菌が原因の場合、適切な抗生剤の内服により症状が早く軽減され、また炎症が周囲に広がり膿を貯めるリスクを下げるともいわれます。
  • 溶連菌が他の細菌と異なって問題となるのは、咽頭炎を生じた後に、とくにお子さんでは糸球体腎炎(血尿、むくみなど)やリウマチ熱(心炎、多関節炎など)などの続発症を生じる可能性があるからです。糸球体腎炎は咽頭炎から1~2週間後に起こります。頻度は2%以下で、また必要に応じ対症療法を行い、9割以上は回復するといわれます。リウマチ熱は咽頭炎から数週間後に起こります。しかし他の工業国と同様、日本でも現在ではまれなものとなっています。また抗生剤投与により予防ができるといわれます。リウマチ熱、糸球体腎炎とも頻繁に生じるものではありませんが注意は必要です。溶連菌が疑わしい場合は、現在は溶連菌の検査キットがあり外来で5分程度で調べられます。

ウイルス性

  • ウイルス性の咽頭・扁桃炎ではいくつか特徴的な症状があり細菌性のものと区別できる場合があります。ウイルス性であれば、抗生剤による治療は不要です。急性咽頭・扁桃炎の原因となるウイルスとしては、アデノウイルス(咽頭結膜熱、プール熱など)、エンテロウイルス(ヘルパンギーナ、手足口病~夏)、単純ヘルペスウイルス、EBウイルスなどがあげられます。
  • アデノウイルスによる咽頭・扁桃炎では4~5日続く高い発熱と鼻汁、また目の結膜炎がみられることがあります。結膜炎がみられない場合は細菌性と見分けがつかず、診断に苦慮することがありますが、今はアデノウイルスに対しても検査キットがあり、外来で調べられるようになっています。ヘルパンギーナでは、発熱、咽頭痛を生じ、のどに水泡や小さい潰瘍ができるのが特徴です。手足口病ではのどや口の中の症状だけでなく、手や足に発疹がでます。単純ヘルペスウイルスの初感染では発熱、咽頭痛などの症状の他に、歯ぐきが赤く腫れたり、口内炎を生じたりすることがあります。

扁桃周囲腫瘍

扁桃腺の炎症が悪化し、周囲に広がり膿を貯めるものです。強いのどの痛み、発熱、開口障害(口が開きにくい)などの症状が出ます。放置すると気道の周囲にむくみ(喉頭浮腫)を生じ、呼吸困難となることがあります。また膿が胸の方まで下がっていって、大変危険な状態になることもあります。20~30歳代の男性に多く、お子さんには少ない病気です。穿刺または切開で膿を出し、抗生剤の点滴、状態により入院加療を行います。

伝染性単核球症

伝染性単核球症といってEBウイルスというウイルスによって扁桃炎が生じることがあります。抗生剤による治療は不要で、自然に治るのを待ちます。お子さんでは無症状か、3~4日程度の咽頭炎で治癒することも多いですが、思春期以降に感染した場合は強い症状が出ます。発熱し、扁桃腺が腫れ、扁桃腺に白苔という白い膜のようなものがみられます。扁桃腺だけでなく、首のリンパ節が腫れたり、鼻の奥の上咽頭というところにも炎症を起こします。また肝機能障害を生じることが多いので安静が治療として重要です。

声帯結節

声帯は声を出すときに振動して音を作り出す器官です。声の酷使によりこの声帯の両側に結節という小さいこぶのようなものができ、嗄声(声がれ)を生じるのが声帯結節です。学校の先生や保育士、歌手など声を多用する職業の方に多く、カラオケや詩吟、スポーツでの大声などが原因となることもあります。学童期の男の子にできることもあります。治療はまず声の衛生(音声の濫用の禁止)を保つことです。長時間話すことを避ける、聞き役に回るようにする、力んだ発声をやめ、やわらかい発声を心がける、大声を出さないなどです。また乾燥を避け、湿度を保つことやたばこの煙、飲酒を避けることも必要です。これにより改善してくる場合が多い病気です。

声帯ポリープ

カラオケや応援で大声を出す、咳や咳払いなど一過性の急激な声帯の濫用で声帯粘膜に出血や循環障害が生じることによりポリープができると考えられています。ポリープができると嗄声(声がれ)が起こります。発症初期では声の衛生を保つことで消失する可能性があります。しかし、経過が長い場合は手術が必要となることが多いです。手術後も声の衛生が重要です。

のどの症状

のどの痛み

  • 急に生じるのどの痛みの多くは風邪などの、のどの炎症です。のどの炎症の中でも細菌による急性咽頭・扁桃炎では痛みが強く、悪化すると扁桃周囲膿瘍といって扁桃腺の周りに膿が貯まることもあります。この場合、自然に治ることは難しく、また気道の周囲にむくみを生じ危険な状態になることがあります。のどの痛みが強いときは耳鼻科を受診してください。
    のどの痛みだけでなく、息苦しい感じがあるときは喉頭浮腫や、急性喉頭蓋炎という危険な病気の可能性があります。気道の入り口が腫れるもので急激に悪化し窒息する可能性もあります。すぐに受診してください。
  • 伝染性単核球症といってEBウイルスというウイルスによって扁桃炎が生じることがあります。抗生剤による治療は不要で、自然に治るのを待ちます。扁桃腺だけでなく、首のリンパ節が腫れたり、鼻の奥の上咽頭というところにも炎症を起こします。また肝機能障害を生じることが多いので安静が治療として重要です。
    のどの痛みが1か月以上続くもの、とくに飲み込むときに痛んだり、しみるという場合は腫瘍も疑われます。精査が必要です。

咳、たん

  • 急性のものとしては風邪急性副鼻腔炎、急性気管支炎など流行時にはマイコプラズマや百日咳、RSウイルスにも注意が必要です。急性副鼻腔炎では膿性の鼻がのどにまわり、痰やせき込みの原因となります。鼻処置(鼻の中の分泌物の清除)が症状の軽減につながります。
  • さらに長く続く場合、とくに8週以上続く場合は慢性副鼻腔炎、気管支喘息、咳喘息、逆流性食道炎など。また結核、腫瘍、気道内異物、誤嚥、薬剤性(降圧剤)によるものなども考える必要があります。

のどの違和感、異物感、腫れ

  • 一番気になるのはのどや頸部、甲状腺などに腫瘍性病変があるかどうかということです。他に考えられる原因としては慢性副鼻腔炎からの後鼻漏(鼻がのどにまわる)、最近では逆流性食道炎といって胃の酸がのどの方まで上がってきてのどの痛み、違和感、声がれの原因になることも指摘されています。またストレスからのどに何かをあるように感じてしまうこともあります。

飲み込みが悪い

一番気にかかるのはやはり、咽頭がんや食道がんです。特に固形物が通りにくい、しみるという場合は注意が必要です。危険因子としては喫煙、飲酒、女性では鉄剤を内服するような貧血があります。

声がかれた

  • 声は、喉頭(のどぼとけ)にある声帯という2本のひだが振動することによって作られます。この声帯が障害されると声がかれます。とくに声を使いすぎた後や、風邪を引いているときなどでは喉頭炎、声帯炎が考えられます。炎症が治まれば自然に声が戻ってきます。症状を悪化させないためにも声をなるべく出さず、声帯を休めてあげましょう。普通に話すだけでも声帯は1秒間に100~300回振動しますので、声帯に負担がかかります。
  • 学校の先生、歌手の方など、とくに声を酷使されている方、スポーツの声援などで普段から大きな声を出すお子さんで、声がれが続く場合は声帯結節声帯ポリープとなってしまっている可能性があります。
  • 最近では逆流性食道炎といって胃の酸がのどまで上がってきてのどの痛み、違和感、声がれの原因になることも指摘されています。胸やけがする、げっぷが多い、胃の苦い酸がのどまで上がってくるなどの症状がある方は一度受診してみてください。
  • 気になるところでは喉頭がんです。喉頭がんは早くから声がれという形で症状が現れてきます。1か月ほど声がれが続くようなら一度耳鼻科を受診することをおすすめします。主な危険因子は喫煙です。
  • 反回神経麻痺といって神経の障害から片方の声帯が動かなくなり声がかれてしまうことがあります。反回神経は脳から出て頸部を下り、胸の中で折り返し、再び食道に沿って上方へと進み、甲状腺の裏側を通って喉頭(のどぼとけ)に辿り着き声帯を動かしています。ですから反回神経に障害がみられる場合には、これらの臓器において病気がないかどうか調べる必要があります。

首が腫れた

  • 耳の下が急に腫れて痛いという場合は耳下腺(唾液をつくる臓器)の炎症などが考えられます。お子さんで特に両側とも腫れている場合はおたふくかもしれません。痛みもなくしこりが続くという場合は腫瘍も考えられます。耳下腺に多い多形腺腫という病気は長い間に悪性化することがあります。早めに受診してください。
  • あごの下が急に腫れたという場合、とくに左右どちらか一方が腫れた場合は顎下腺(こちらも唾液をつくる臓器)の炎症などが考えられます。食事をした後に腫れるという場合は、唾石といって唾液が通る管に石ができているかもしれません。この場合は唾石の摘出が必要です。また顎下腺にも先ほどの多形腺腫が生じますのでしこりがあるときは早めに受診してください。
  • あごの下の真ん中に腫れがある場合は正中頸のう胞という病気かもしれません。これは胎生期に甲状腺ができるときのなごりで、のう胞(ふくろ)が残ってしまったものです。
  • のどの手前が腫れている場合は甲状腺の病気などが考えられます。
  • 頸の横にしこりがあり、痛みを伴う場合は、のどの炎症などからリンパ節炎を生じているかもしれません。痛みもなく、しこりがなかなか消えない場合、とくに徐々に大きくなる場合は咽頭がん・喉頭がんなどからのリンパ節転移や、リンパ腫なども疑われます。早めに受診してください。

口内炎ができた

口内炎の原因は感染、アレルギー、栄養障害、ストレスなどいろいろ報告はされていますが、どうしてできるかはまだよくわかっていません。治療により10日ほどでよくなる単純性アフタがほとんどですが、まれに全身疾患の部分症状として反復することがあります。口内炎を繰り返し、よくなるのに2週間以上かかったり、大きくて瘢痕を残して治るような場合はさらに検査が必要です。

味がわからない

原因としては亜鉛、鉄分の不足、舌炎、口内乾燥(口が渇く)、薬剤によるものなど様々です。風邪をきっかけに生じたり、原因不明のものもあります。治療としては亜鉛や鉄分が不足している場合はそれを補います。舌炎、口内乾燥がある場合はそれに対する治療が必要です。

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