副鼻腔炎のジレンマ|横浜市都筑区の耳鼻科

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副鼻腔炎のジレンマ

ブログ 2016年11月20日

ある雑誌に最近の成人の副鼻腔炎治療に対する総説記事が載っていました(1)。

副鼻腔炎は発症から4週までを急性、3か月以上続くものを慢性、その間の4週から3か月までを亜急性と分類しますが、その急性副鼻腔炎の治療に関する記事です。

急性副鼻腔炎はさらにウイルス性と細菌性に分類されます。ウイルス性であれば自然に治ります。細菌性のものであれば抗生剤投与を考慮します。

ですから、この2つを区別することは治療を決める上で重要です。

では、どのように区別するのでしょうか?

程度にもよりますが色のついた、濁った鼻水、発熱、顔面の痛み、またレントゲン検査で副鼻腔に影があっても、残念ながらそれだけではウイルス性と細菌性の区別がつきません。確実なのは、副鼻腔に鼻から針を刺し、菌を調べることですが、成人の急性副鼻腔炎の約85%は自然に症状が改善するそうで、侵襲を伴い、結果が出るまでに日数もかかるこのような検査を全員に行うのは現実的ではありません。実際の臨床では経過で判断していきます。1-2週で治っていくウイルス性のものとは違う経過をたどるときに細菌性なのではないかと考えていくわけです。

しかし、そのように症状の経過で細菌性と判断して抗生剤を出しても、抗生剤を出さなかった場合と比較して、特別抗生剤で早くよくなることはなかったという研究があるそうです。

それでは治療はどうすればよいのでしょうか?

結論として、その著者は急性副鼻腔炎のはじめの治療は患者さんと副鼻腔炎の知識を共有して相談して決めましょう、そして副鼻腔炎と診断されて7日間たっても改善しない場合、症状が悪化していく場合は抗生剤を使用しましょうとしていました。

しかしもちろん、症状が激しい場合は抗生剤をはじめから投与しますが。

なかなかクリアカットにはいかないものです。

 

1) Rosenfeld RM. Acute sinusitis in adults. N Engl J Med 2016;375:962-70.

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